退職後に顧客・取引先へ連絡してよいか|顧客引継ぎ・顧客奪取のリスク

退職後や退任後に、担当していた顧客・取引先へ挨拶をしてよいのか、独立後の連絡先を伝えてよいのか、受注希望を伝えると顧客奪取になるのかは、退職・退任トラブルで非常に問題になりやすい論点です。少数株主である元取締役、創業メンバー、幹部従業員、営業担当者の場合、顧客との関係が本人の人的関係なのか、会社が管理してきた顧客情報なのか、在職中の地位を利用した働きかけなのかが争点になります。

結論からいえば、退職後に顧客へ連絡することが常に違法になるわけではありません。もっとも、会社の顧客名簿を無断で使う、会社が倒産しそうだなどと虚偽の説明をする、引継ぎの立場を利用して自社へ誘導する、競業避止義務や顧客勧誘禁止条項に反する、といった事情があると、損害賠償や差止めを求められるリスクが高まります。

坂尾陽弁護士

顧客への連絡は、「挨拶」「連絡先通知」「営業」「受注誘導」「虚偽告知」を分けて見る必要があります。顧客を持って独立したと言われた場合でも、まずは連絡方法、使用した情報、説明内容、契約条項を整理することが重要です。
  • 退職後の顧客連絡は、単なる挨拶と積極的な営業・受注誘導でリスクが変わります。
  • 顧客名簿、CRM、メール履歴、社内資料を使って連絡すると、守秘義務や営業秘密の問題になり得ます。
  • 「会社が危ない」「会社の了解を得ている」など事実と異なる説明は、信用毀損・不法行為のリスクがあります。
  • 競業避止義務、顧客勧誘禁止条項、退職時誓約書がある場合は、連絡前に範囲を確認する必要があります。
  • 少数株主・元取締役の場合は、顧客対応と同時に株式買取や退任時合意が問題になることがあります。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年  京都大学法学部卒業
2011年  京都大学法科大学院修了
2011年  司法試験合格
2012年~ 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

弁護士 坂尾陽

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退職後に顧客へ連絡してよいかの基本線

退職後の顧客連絡を考えるときは、まず「退職者は退職後も当然に会社のためだけに行動しなければならないのか」という点を確認します。一般に、退職後や退任後は、在職中と同じ忠実義務・職務専念義務をそのまま負い続けるわけではありません。したがって、競業避止義務や顧客勧誘禁止条項がない場合、退職者が自分の経験や人的関係をもとに事業を行うこと自体は、原則として自由競争の範囲で考えられます。

しかし、「退職後は自由」というだけで終わるわけではありません。退職直後に会社の主要顧客へ一斉に連絡した、在職中に取得した顧客リストを利用した、顧客に会社の信用を落とす説明をした、引継ぎ中に顧客を自分の新会社へ誘導した、元会社のメールや名刺を使って営業したといった事情があると、自由競争の範囲を逸脱した顧客奪取だと主張されることがあります。

そのため、退職後に顧客へ連絡してよいかは、「連絡の目的」「連絡の方法」「使った情報」「説明内容」「契約上の制限」「在職中からの準備行為」を分けて判断します。特に、少数株主である元取締役や幹部従業員は、顧客情報や経営情報へのアクセスが大きかったと評価されやすいため、一般の退職者よりも慎重に整理する必要があります。

退職挨拶・連絡先通知・営業・受注誘導を分けて考える

顧客への連絡といっても、内容は一つではありません。単に退職の挨拶をするだけなのか、今後の連絡先を伝えるのか、独立後のサービスを案内するのか、既存案件を自分の会社に切り替えるよう勧めるのかで、法的な評価は大きく変わります。

  • 退職挨拶:これまでの取引へのお礼、退職日、今後は会社の担当者へ連絡してほしい旨を伝える程度であれば、比較的リスクは低い方向です。
  • 連絡先通知:個人的な連絡先や独立後の連絡先を伝える場合、顧客からの自主的な問い合わせを受ける趣旨なのか、積極的な営業なのかが問題になります。
  • 営業案内:独立後のサービス内容、価格、受注希望を伝える場合は、競業避止義務や顧客勧誘禁止条項の有無を確認する必要があります。
  • 受注誘導:既に会社が進めている案件をキャンセルさせる、会社への発注を自分の新会社に切り替えさせる行為は、リスクが高くなります。
  • 信用不安の告知:会社の経営危機、担当能力、商品品質などについて不正確な説明をすると、信用毀損や不法行為が問題になります。

安全性を高めるには、「退職の挨拶」と「営業」を混ぜないことが重要です。退職挨拶の文面で、顧客に不安を与えたり、会社との取引をやめるよう促したり、会社の了解があるかのように見せたりすると、後から不当な顧客奪取だと評価されやすくなります。

契約や誓約書で顧客への営業が制限されていないか

顧客への連絡を検討する前に、まず契約上の制限を確認します。退職後の顧客営業は、競業避止義務そのものとは別に、顧客勧誘禁止条項、取引先接触禁止条項、秘密保持条項、引継ぎ義務、退職時誓約書などで制限されていることがあります。

よく問題になるのは、株主間契約、株式譲渡契約、役員委任契約、執行役員規程、雇用契約、就業規則、秘密保持契約、退職合意書です。少数株主・元取締役の場合、株式を取得したときの契約や、退任時に署名した合意書に、競業禁止だけでなく顧客への接触禁止が入っていることがあります。

契約条項がある場合でも、必ずしも全文が当然に有効になるわけではありません。たとえば、退職後長期間にわたり、会社の全顧客への一切の接触を禁止するような条項は、範囲が広すぎるとして争点になり得ます。他方で、本人が担当していた特定顧客について、一定期間、積極的な勧誘をしないという限定的な条項は、有効性が認められやすい方向に働くことがあります。競業避止義務の有効性そのものは、競業避止義務違反と言われた場合の解説で詳しく整理しています。

顧客情報を使った連絡は別の問題になる

顧客へ連絡してよいかを考えるとき、連絡内容だけでなく、「どうやってその顧客に連絡したのか」が重要です。自分の記憶や名刺交換後の個人的な関係に基づく連絡なのか、会社の顧客名簿、CRM、メール履歴、見積書、過去の注文履歴、チャット履歴を使った連絡なのかで、リスクは変わります。

顧客リストや顧客名簿が、秘密管理性、有用性、非公知性を満たす営業秘密に当たる場合、それを無断でコピーし、退職後の営業に使うことは、不正競争防止法上の問題になります。大阪地裁平成8年4月16日判決は、男性用かつら販売業の顧客名簿について、無断で持ち出してコピーし、退職後に顧客を勧誘した行為を問題にした裁判例です。

つまり、顧客に連絡すること自体が自由競争の範囲内に見える場合でも、会社の顧客データを使っていれば別問題です。顧客情報・社内データの持ち出しを疑われている場合は、先に退職後の守秘義務・営業秘密に関する解説を確認し、使用した情報と保存先を整理する必要があります。

自由競争の範囲内と判断されることがある場面

最高裁平成22年3月25日判決は、退職後の競業避止義務に関する特約がない元従業員が、別会社を事業主体として元勤務先の取引先から仕事を受注した事案について、不法行為に当たらないと判断しました。同判決では、退職の挨拶の際などに一部の取引先へ独立後の受注希望を伝える程度のことはあったものの、営業秘密を用いたり、会社の信用をおとしめたりする不当な方法が認められないことなどが重視されています。

この裁判例からは、担当者として築いた人的関係を利用したというだけでは、直ちに違法な顧客奪取とはいえないことが分かります。顧客が退職者本人の能力、信頼関係、サービス内容を評価して、自主的に取引先を選ぶことも、自由競争の一部です。

もっとも、この裁判例は「退職後の顧客営業はすべて自由」と言っているわけではありません。営業秘密の利用、信用毀損、虚偽告知、在職中からの背信的準備、会社の弱体化を殊更利用した行為がある場合は、別の評価になります。顧客を持って独立する場合には、自分の行動が単なる人的関係の利用にとどまるのか、会社の財産や信用を侵害する方法になっていないかを確認する必要があります。

違法な顧客奪取と評価されやすい典型例

顧客奪取が違法と評価されやすいのは、単に顧客が移ったというだけでなく、退職者側の方法が不当である場合です。会社側は、売上減少だけを理由に損害賠償を求めてくることがありますが、実際には、どのような方法で顧客に働きかけたのかが重要になります。

  • 会社の顧客名簿、顧客リスト、見積履歴、注文履歴を無断で使って連絡した。
  • 在職中又は退任前から、顧客に対して退職後の新会社への発注を打診していた。
  • 引継ぎ担当者としての立場を利用し、顧客に新会社へ切り替えるよう誘導した。
  • 「会社は倒産しそうだ」「今後は対応できない」など、事実と異なる説明をした。
  • 「会社の了解を得ている」「会社の後継店舗である」など、顧客に誤認を与える説明をした。
  • 会社名、メールアドレス、注文書、名刺、ロゴなどを使い、元会社の営業と混同させた。
  • 退職直後に主要顧客へ一斉連絡し、既存案件をまとめて奪うような動きをした。

東京地裁令和2年3月26日判決は、退職時に顧客へ「会社が危ない」などと告知し、従業員への強い転職勧誘もあった事案で、自由競争の範囲を逸脱した競業行為として不法行為を認めました。このように、顧客への説明内容が会社の信用を害するものである場合は、顧客連絡の違法性が強く主張されやすくなります。

在職中・退任前の働きかけは特にリスクが高い

退職後の顧客連絡よりも、在職中・退任前の顧客への働きかけの方がリスクは高くなります。在職中は、取締役であれば忠実義務・善管注意義務、従業員であれば雇用契約上の誠実義務や就業規則上の義務を負っています。その立場で、会社の顧客を退職後の自分の事業へ移す準備をすれば、背信的な行為と評価されやすくなります。

特に危険なのは、在職中に顧客へ「退職後はこちらに発注してほしい」と具体的に依頼する、会社の案件を遅らせて退職後に受注できるようにする、見積条件や顧客の予算情報を新会社のために使う、会社の担当者変更や引継ぎを妨げるといった行為です。退職前の営業準備として許される範囲と、会社の利益を害する行為との境界を意識する必要があります。

退職前に顧客へ挨拶する必要がある場合は、会社のルールに従い、会社の後任担当者を明確にし、独立後の営業案内を混ぜない方が安全です。後で争われたときに備え、会社から許可を得た範囲、送信文面、送信日時、送信先を記録しておくことも重要です。

少数株主・元取締役の場合に注意すべき点

少数株主である元取締役や創業メンバーの場合、顧客への連絡は、単なる労務問題ではなく、株主間契約、株式譲渡契約、退任合意、株式買取条項と結び付いて争われることがあります。会社側が、競業や顧客奪取を理由に、株式の安値買取、議決権行使の制限、損害賠償、役員報酬返還などを主張してくることもあります。

元取締役は、退任後であっても、在任中に知った経営情報や顧客戦略を使ったのではないかと疑われやすい立場です。顧客への連絡が退任後に行われたとしても、準備が在任中から始まっていた、会社の重要顧客をまとめて移した、会社の信用を低下させる説明をしたという事情があれば、取締役としての任務懈怠や不法行為と関連付けて主張される可能性があります。

また、株式買取条項の中に、競業、顧客勧誘、秘密保持違反をトリガーとして株式を売り渡す旨が定められていることがあります。顧客への連絡をする前に、退職・退任時の株式処理がどう書かれているかも確認してください。退職・退任時の株式買取については、退職時の株式買取に関する解説で詳しく整理しています。

顧客引継ぎ中にやってはいけないこと

退職時には、会社のために顧客引継ぎを行うことがあります。この場面は、顧客と接触する正当な理由がある一方で、その立場を利用するとトラブル化しやすい場面でもあります。引継ぎは、顧客を会社に残すための手続であり、退職者の新事業へ移すための営業機会ではありません。

  • 後任担当者を紹介すると言いながら、実際には自分の独立後の連絡先を中心に伝える。
  • 「今後の対応に不安があればこちらへ」など、会社からの離脱を促す文面を送る。
  • 顧客の未発注案件、予算、決裁者、価格感を自分の独立後の営業資料として整理する。
  • 会社の許可なく、顧客へ退職理由や社内事情を説明する。
  • 引継ぎメールのCCや添付資料を利用して、退職後の営業リストを作る。

顧客引継ぎでは、会社の後任担当者、連絡先、進行中案件の状況、必要な資料だけを正確に伝えることが基本です。独立後の営業を予定している場合でも、会社の引継ぎ手続と自分の営業活動を混在させると、後で「引継ぎを装った顧客奪取」と主張されるおそれがあります。

安全な連絡文面の考え方

顧客へ退職の挨拶をする場合、文面は短く、事実だけに絞るのが基本です。会社の評価、退職理由、社内事情、独立後の営業案内を一つのメールに入れると、後から争われる余地が増えます。

比較的安全な方向の文面は、たとえば「在職中はお世話になりました。〇月〇日付で退職します。今後の会社業務に関するお問い合わせは、後任の〇〇宛てにお願いします。」というように、退職の事実と後任担当者への引継ぎを中心にしたものです。会社の許可を得て送る場合は、会社のメールアカウントから送信し、後任担当者をCCに入れるなど、会社の引継ぎとしての性質を明確にする方法も考えられます。

一方で、「会社の体制が不安なので、今後はこちらにご連絡ください」「会社には話を通してあります」「以前の案件は当方で引き続き対応できます」「今なら元会社より安くできます」といった文面は危険です。事実と異なる内容や、顧客の誤認を招く内容は避けるべきです。

退職後に独立後のサービス案内を送る場合は、会社の顧客データを使っていないか、競業避止義務や顧客勧誘禁止条項に反していないか、送信先が自分の個人的な関係に基づく範囲か、送信内容が会社の信用を害していないかを事前に確認してください。

会社から損害賠償・差止めを示唆された場合

会社から「顧客を奪った」「取引先を引き抜いた」「損害賠償を請求する」「今後一切顧客へ連絡するな」と通知された場合、まず感情的に反論せず、会社が何を問題にしているのかを特定します。顧客情報の持ち出しを問題にしているのか、競業避止義務違反を問題にしているのか、虚偽告知や信用毀損を問題にしているのかで、反論の組み立てが異なります。

  • 会社が問題視している顧客名、案件名、連絡日、連絡手段を確認する。
  • 自分が使った情報が、記憶・人的関係・公開情報・会社管理情報のどれかを分ける。
  • 顧客への文面、通話メモ、面談記録を保存する。
  • 会社の主張する損害が売上なのか、利益なのか、因果関係があるのかを確認する。
  • 競業避止条項、顧客勧誘禁止条項、秘密保持条項の有無と範囲を確認する。

会社の通知に対して、顧客へ再度連絡して釈明したり、証拠になるメールやデータを削除したりするのは避けるべきです。顧客への追加連絡が、かえって二次的な接触禁止違反や証拠隠滅のように見えることがあります。会社から内容証明、差止め請求、仮処分の予告を受けた場合は、早めに法的な対応方針を決める必要があります。

従業員引抜き・競業避止義務との切り分け

顧客への連絡問題は、従業員引抜きや競業避止義務と同時に主張されることがあります。しかし、それぞれ争点は異なります。顧客連絡では、顧客への働きかけの態様、説明内容、使用情報が中心です。従業員引抜きでは、元同僚・部下への勧誘方法、在職中の準備、大量性・組織性・威迫性が問題になります。競業避止義務では、そもそも退職後の競業禁止条項が有効かが問題になります。

会社から一括して「競業避止義務違反」「顧客奪取」「従業員引抜き」と言われた場合でも、すべてを同じ土俵で争うと整理が難しくなります。顧客連絡の問題と、従業員への勧誘の問題は分けて検討してください。従業員引抜きの論点は、退職後に従業員を引き抜いてよいかに関する解説で扱っています。

顧客へ連絡する前の初動チェックリスト

  • 退職・退任前か、退職・退任後かを確認する。
  • 会社の許可を得た連絡か、自分の判断による連絡かを分ける。
  • 連絡目的が退職挨拶、後任引継ぎ、連絡先通知、営業、受注誘導のどれかを明確にする。
  • 顧客の連絡先をどこから取得したかを確認する。
  • 顧客名簿、CRM、メール履歴、社内資料を使用していないかを確認する。
  • 競業避止義務、顧客勧誘禁止条項、秘密保持条項、退職時誓約書の有無を確認する。
  • 会社の信用や経営状況に関する説明を入れない。
  • 既存案件のキャンセルや切替えを促す文面になっていないかを確認する。
  • 送信文面、送信先、送信日時を保存する。
  • 少しでも迷う場合は、送信前に弁護士へ文面を確認してもらう。

顧客連絡のトラブルは、送った後で取り消すことが難しい問題です。特にメール、チャット、SNS、DMは証拠として残ります。退職直後の焦りで一斉連絡をするよりも、契約と情報管理の状況を確認してから動く方が安全です。

弁護士に相談するときに整理したい資料

顧客奪取や取引先への営業を疑われた場合は、抽象的に「顧客を奪っていない」と説明するだけでは足りません。顧客ごとに、連絡経緯、使用情報、受注時期、会社との関係を整理する必要があります。

  • 退職日、退任日、最終出社日、会社への通知日をまとめた時系列
  • 顧客へ送ったメール、チャット、SNS、DM、手紙、架電メモ
  • 会社から送られてきた警告書、内容証明、損害賠償請求書
  • 雇用契約書、役員委任契約、株主間契約、株式譲渡契約、退職合意書、誓約書
  • 就業規則、秘密保持規程、顧客勧誘禁止条項、競業避止条項
  • 顧客リストや連絡先をどこから取得したかが分かる資料
  • 顧客から自主的に問い合わせがあった場合は、その最初の連絡記録
  • 会社が主張する損害額、受注額、利益率に関する資料
  • 株式買取や退任合意と連動している場合は、その通知・契約書類

相談時には、「顧客と自分の関係が強かった」という説明だけでなく、会社が何を管理し、どの情報を自分が使ったのかを具体的に説明できるようにしておくことが大切です。顧客ごとに事情が違うため、重要顧客から順に時系列表を作ると整理しやすくなります。

まとめ

  • 退職後の顧客連絡は常に違法ではありませんが、方法と内容によって顧客奪取・不法行為の問題になります。
  • 退職挨拶、連絡先通知、営業、受注誘導、虚偽告知は分けて判断する必要があります。
  • 顧客名簿や社内データを使った連絡は、守秘義務・営業秘密の問題として別に検討します。
  • 会社の信用を害する説明、会社の了解があるかのような説明、既存案件の切替え誘導は特に危険です。
  • 少数株主・元取締役の場合は、顧客対応と株式買取条項・退任時合意が連動することがあります。

顧客を持って独立したと言われた場合でも、すべての顧客連絡が直ちに違法になるわけではありません。まずは、連絡した顧客、連絡方法、使用した情報、説明内容、契約上の制限、退職前後の時系列を整理し、自由競争の範囲内といえるか、不当な顧客奪取と評価される事情があるかを確認してください。

坂尾陽弁護士

顧客連絡の紛争では、送信文面と使用情報が重要な証拠になります。顧客へ追加連絡をする前に、契約条項、情報の取得経路、会社からの通知内容を整理し、対応方針を決めることが大切です。

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