非上場株式・少数株式を持っている少数株主が、「会社や大株主に買い取ってもらえない」「買い手が見つからない」と悩んでいると、非上場株式の買取業者や買取サービスに相談することを検討する場合があります。買取業者を利用すれば、会社との交渉を自分で続けなくても現金化できる可能性があります。
もっとも、買取業者には、実際に株式を買い取る会社、買い手探索を支援する会社、士業グループが株価算定や売却支援を行うサービス、M&A・投資会社系のサービスなど、複数の類型があります。名前が似ていても、立場、収益構造、交渉の進め方、契約条件は大きく異なります。
この記事では、非上場株式・少数株式の買取業者を利用する際の注意点を、主要サービスの公開情報から見える傾向を踏まえて整理します。会社・大株主への任意の買取交渉については少数株主が会社・大株主に株式を買い取ってもらうにはを、買取交渉・買取請求の全体像は少数株式・非上場株式の買取交渉・買取請求を参照してください。
坂尾陽弁護士
- 非上場株式の買取業者には、直接買取型、士業グループ型、M&A・FA型、投資会社型などがあります。
- 直接買取型はスピードや現金化の確実性が魅力ですが、価格は業者側のリスクと利益を差し引いた水準になりやすいです。
- 士業グループ型やFA型は、株価算定・買い手探索・交渉支援に強みがある一方、誰が買い手になるのか、手数料体系を確認する必要があります。
- 上場グループ・投資会社型は資金力や継続保有方針が強みになる場合がありますが、対象会社との関係や投資基準に合うかが重要です。
- 弁護士相談は、業者に売る前に、価格、譲渡制限、契約条件、非弁リスク、会社・大株主への交渉余地を整理するために有効です。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~ 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
少数株式・非上場株式の売却や支配株主とのトラブルは弁護士の無料相談へ
・24時間365日受付/土日祝・夜間可
・電話・Zoomで全国対応
非上場株式の買取業者とは
非上場株式の買取業者とは、上場市場で売却できない非上場株式や少数株式について、株主から株式を買い取ったり、売却先の探索や価格交渉を支援したりする事業者をいいます。
ただし、「買取業者」という言葉で一括りにすると、実態を見誤ります。実務上は、少なくとも次のように分けて考える必要があります。
- 直接買取型:業者自身が買い手となり、少数株主から株式を取得する類型
- 売却支援型:買い手探索、株価算定、価格交渉、売却スキームの整理を支援する類型
- 士業グループ型:税理士法人、公認会計士、FA会社などが評価・税務・売却支援を行う類型
- M&A・FA型:既発行株式の流動化、政策保有株式、ベンチャー持分、ファンド持分なども含めて支援する類型
- 投資会社型:マイノリティ株式への投資として、継続保有や会社との対話を前提に株式を取得する類型
少数株主にとって最も重要なのは、「相談先が自分の代理人なのか」「買い手候補なのか」「買い手を紹介する支援者なのか」を見分けることです。買い手である業者は、少数株主の利益を最大化する代理人ではなく、売買契約の相手方です。そのため、提示価格や契約条件は、必ず自分側の利益から検討する必要があります。
主要な買取サービスの公開情報から見える類型
非上場株式の買取・売却支援サービスには、いくつかの代表的な方向性があります。ここでは公開情報から見える特徴を類型化して整理します。
たとえば、株式買取相談センターのような直接買取・コンサル型、少数株ドットコムのような自社買取・投資家型、非上場株式サポートセンターのような士業・会計グループ型、日本成長支援パートナーズのようなセカンダリーエージェント型、日本企業投資基盤(JCIP)のような上場グループ投資型などが見られます。
以下は、公開情報から読み取れる傾向を整理したものであり、個別業者の優劣やランキングではありません。実際に相談する場合は、最新の会社概要、契約書、担当者、報酬体系、過去実績を必ず確認してください。
| 類型 | 公表情報から見える強み | 確認すべき注意点 |
|---|---|---|
| 直接買取・コンサル型 | 会社や大株主と交渉しにくい株式でも、業者自身が買い手となり、現金化の出口を作れる可能性があります。事業承継、事業再生、経営コンサルの経験を前面に出すサービスもあります。 | 提示価格には、業者側の資金回収リスク、譲渡承認リスク、将来の交渉コスト、利益が織り込まれます。相場より低くないか、会社・大株主への交渉余地を先に検討すべきです。 |
| 自社買取・投資家型 | 資金力、一括買取、同族会社の事情への理解、株式集約や長期保有方針を打ち出すサービスがあります。親族と直接交渉したくない少数株主には心理的メリットがあります。 | 業者が株主になった後の会社との関係、譲渡承認の扱い、価格決定手続の見通し、契約が不成立になった場合の処理を確認する必要があります。 |
| 士業・会計グループ型 | 税理士法人、公認会計士、FA会社などの背景がある場合、株価算定、相続税評価、決算書分析、売却スキームの整理に強みが出やすいです。 | そのサービスが自ら買い取るのか、買い手探索や交渉支援にとどまるのかを確認します。手数料、成功報酬、税務・法務の担当範囲も分けて確認が必要です。 |
| M&A・セカンダリーエージェント型 | 同族会社株式だけでなく、ベンチャー株式、ファンド持分、政策保有株式など、既発行の非上場株式の流動化に対応するサービスがあります。買い手探索や案件設計に強みが出やすいです。 | 個人の少数株主の小口案件にどこまで対応できるか、発行会社との紛争性が高い場合に法的手続をどう扱うか、弁護士との連携体制を確認します。 |
| 上場グループ・投資会社型 | 上場グループやM&A会社の背景がある場合、信用力、資金力、継続保有方針、会社との対話力が強みになる場合があります。 | 対象会社の規模、業種、株式比率、会社との関係性によっては投資基準に合わない場合があります。短期現金化を優先する少数株主に合うとは限りません。 |
買取業者ごとの強みは「収益構造」から推測する
買取業者の強みを比較するときは、宣伝文句だけでなく、その業者がどこで利益を得るのかを考えると整理しやすくなります。
直接買取型は、早期現金化と引き換えに価格が下がりやすい
直接買取型の強みは、買い手探索の負担を減らし、少数株主が株式を現金化できる可能性を高める点です。会社や親族に何度も連絡したくない場合、会社との関係が悪化している場合、相続税や資金繰りのために早く現金化したい場合には、選択肢になり得ます。
一方で、直接買取業者は、取得後に会社・大株主・指定買取人との交渉、譲渡承認請求、価格決定手続、長期保有などのリスクを負います。そのため、提示価格には、業者の利益だけでなく、資金回収までの時間、訴訟・交渉コスト、譲渡制限リスクが反映されます。
したがって、直接買取型の提示価格は、「会社・大株主と交渉した場合に得られる可能性がある価格」より低くなることがあります。これは業者が悪いという意味ではなく、買い手としてリスクを取る以上、経済的には自然な構造です。
士業・会計グループ型は、評価・税務・資料分析に強みが出やすい
税理士法人、公認会計士、FA会社などを背景にしたサービスは、決算書、株価算定、相続税評価、譲渡所得税、企業価値評価の整理に強みが出やすいです。非上場株式は、会社側から提示された価格や相続税評価額だけで売買価格が決まるわけではありません。資料を分析し、どの評価方法が交渉材料になるかを確認することが重要です。
もっとも、税務・会計の評価ができることと、会社・大株主と法的交渉を代理できることは同じではありません。会社が資料を出さない、譲渡承認を拒む、低額提示を繰り返す、株主権行使が必要になるといった場面では、弁護士の関与が必要になる場合があります。
M&A・FA型は、買い手探索や案件設計に向く場合がある
M&A・FA型やセカンダリーエージェント型は、非上場株式の流動化を案件として設計し、買い手候補、発行会社、既存株主、投資家などとの調整を行う点に強みがあります。政策保有株式、ベンチャー株式、ファンド持分、法人株主の株式売却などでは、単純な親族会社トラブルとは違う専門性が必要になることがあります。
ただし、少数株主が親族会社・同族会社の株式を少額だけ保有している場合、FA型のサービスが対応しやすいとは限りません。保有割合、株式価値、会社規模、紛争性、資料の有無によって、適した相談先が変わります。
投資会社型は、会社との関係や長期保有方針がポイントになる
投資会社型は、少数株式を短期転売の対象ではなく、マイノリティ投資として継続保有する方針を打ち出す場合があります。この場合、会社や大株主にとっても、敵対的な株主が入るより受け入れやすいことがあります。
一方で、投資会社型は、すべての少数株式を買い取るわけではありません。対象会社の成長性、財務内容、ガバナンス、会社との対話可能性、投資回収の見通しが重要です。少数株主側としては、「自分の株式が投資対象として評価されるのか」を確認する必要があります。
買取業者を利用するメリット
買取業者を利用するメリットは、少数株主が一人で会社や大株主に交渉し続ける負担を減らせることです。とくに、親族関係が悪化している、退職後に会社と関係が切れている、会社に連絡しても無視される、低額提示しか受けられないといったケースでは、第三者を使うことで交渉の入口が変わることがあります。
主なメリットは次のとおりです。
- 買い手候補を自分で探す負担が減る
- 会社や親族と直接やり取りせずに済む場合がある
- 査定や株価算定の入口を無料で受けられるサービスがある
- 早期に現金化できる可能性がある
- 売却スキーム、譲渡承認、名義書換などの流れを支援してもらえる場合がある
ただし、これらはあくまで一般的なメリットです。すべての業者が同じ対応をするわけではなく、案件によっては買取対象外になる場合もあります。相談時には、査定だけなのか、実際に買い取るのか、買い手を探すのか、どこまで手続を支援するのかを確認してください。
買取業者を利用するデメリット・注意点
買取業者を利用する最大の注意点は、少数株主と業者の利益が完全には一致しないことです。とくに直接買取型では、業者は株式を安く買い、取得後の交渉や保有によって利益を得ようとします。これは売買の相手方として当然の構造ですが、少数株主から見ると、提示価格が本来の交渉余地より低い可能性があります。
提示価格が「最終的に得られる価格」とは限らない
会社や大株主から低額提示を受けた少数株主にとって、買取業者の提示価格が魅力的に見えることがあります。しかし、その価格が最善とは限りません。会社に対する資料請求、株主権行使、価格交渉、譲渡承認請求、売買価格決定申立てなどを検討すれば、別の出口が見える場合があります。
価格の詳細を確認したい場合は、非上場株式の株価評価・価格算定で、税務評価、純資産、収益、配当、少数株式の評価の違いを確認してください。
手数料無料でも、価格にコストが織り込まれていることがある
買取サービスの中には、相談料、査定料、買取手数料が無料と説明するものがあります。無料で相談できること自体はメリットです。
もっとも、直接買取型では、明示的な手数料がなくても、業者側の利益やリスクは買取価格に反映されます。つまり、「手数料無料だから最も有利」とは限りません。少数株主としては、手取り額、支払時期、契約解除条件、税金、会社・大株主への交渉余地を含めて比較する必要があります。
譲渡制限株式では、会社の承認が問題になる
非上場会社の株式には、譲渡制限が付いていることが多くあります。譲渡制限株式を買取業者に売る場合、株式譲渡契約を締結しても、会社に対する関係で株主名簿の書換えができるか、会社が譲渡を承認するか、不承認時に会社又は指定買取人が買い取るのかが問題になります。
譲渡制限株式の買取請求や譲渡承認の流れは、譲渡制限株式の買取請求とはで詳しく整理します。買取業者に売る前に、契約書で譲渡承認が得られない場合の処理、代金支払時期、解除条件、費用負担を確認しておくべきです。
非弁・弁護士法違反が問題になる類型もある
買取業者が少数株主から譲渡制限株式を取得し、その後に会社へ譲渡承認請求や価格交渉を行うスキームでは、非弁行為や弁護士法違反が問題になることがあります。近時も、業者による株式取得や権利行使の実態が問題とされた裁判例が紹介されています。
もちろん、買取業者による株式取得がすべて違法というわけではありません。問題は、契約の目的、業者の関与の実態、法律事件への介入の程度、報酬・利益の構造、譲渡承認請求や価格決定手続の使い方です。
「業者に売れば必ず安全」「業者なら会社に高く買い取らせられる」とは限りません。譲渡制限株式、親族会社との紛争、低額提示、価格決定手続が絡む場合は、契約前に法的リスクを確認することが重要です。
買取業者と弁護士相談の違い
買取業者と弁護士相談は、役割が違います。買取業者は、株式を買い取る、買い手を探す、売却を支援する立場です。弁護士は、少数株主の代理人として、法的権利、交渉方針、手続、契約条件、リスクを整理する立場です。
両者の違いを簡単にまとめると、次のようになります。
| 比較軸 | 買取業者・買取サービス | 弁護士相談 |
|---|---|---|
| 立場 | 買い手、買い手探索支援者、売却支援者など。直接買取の場合は売買契約の相手方です。 | 少数株主側の代理人・助言者として、依頼者の利益を前提に検討します。 |
| 価格 | 直接買取では、業者の利益、リスク、資金回収期間が価格に反映されます。 | 会社・大株主への交渉余地、株価評価、裁判手続の可能性を踏まえて検討します。 |
| スピード | 対象になれば早期現金化が期待できる場合があります。 | 交渉・資料収集・手続を伴うため、時間がかかる場合があります。 |
| 法的手続 | 業者によって対応範囲が異なります。非弁リスクにも注意が必要です。 | 譲渡承認請求、会計帳簿閲覧請求、価格決定手続、交渉代理などを法的に整理できます。 |
| 契約条件 | 買取契約、手数料、解除条件、支払時期、協力義務を確認する必要があります。 | 契約書のリスク、株券の有無、名義書換、税務連携まで確認できます。 |
買取業者を使うべきか、弁護士に相談すべきかは二者択一ではありません。業者に相談する前に弁護士へ相談し、会社・大株主への交渉余地や買取価格の妥当性を確認してから、業者への売却を検討する方法もあります。
弁護士相談を先にした方がよいケース
次のような場合は、買取業者に売却する前に、弁護士へ相談することをおすすめします。
- 会社や大株主から極端に低い価格を提示されている
- 会社が決算書や株主名簿などの資料を出してくれない
- 譲渡制限株式で、会社が譲渡を承認しない可能性がある
- 相続税評価額と売却価格の差が大きい
- 買取業者の契約書に、解除制限、違約金、長期の協力義務が入っている
- 業者が「必ず会社に高く買い取らせられる」と説明している
- 親族会社・同族会社との紛争がすでに深刻化している
弁護士相談では、会社・大株主に対する任意交渉、譲渡承認請求、会計帳簿閲覧請求、株主名簿閲覧請求、売買価格決定申立てなどの選択肢を整理できます。資料収集の詳しい方法は会計帳簿閲覧請求とはも参考になります。
坂尾陽弁護士
買取業者に売る前に確認すべき契約・クロージング
買取業者への売却では、価格だけでなく、契約書とクロージング手続が非常に重要です。口頭で「買い取ります」と言われても、契約条件が不明確なまま進めると、後からトラブルになることがあります。
株式譲渡契約書で確認すべきこと
株式譲渡契約書では、少なくとも次の事項を確認します。
- 売買対象となる株式数、種類、発行会社
- 売買代金、支払時期、支払方法
- 譲渡承認が必要な場合の手続と不承認時の処理
- 株券発行会社か、株券不発行会社か
- 株主名簿の名義書換えを誰が行うか
- 表明保証、解除条件、違約金、損害賠償
- 税金、費用、専門家報酬の負担
- 売却後に売主が協力義務を負う範囲
特に、譲渡制限株式では、会社の承認が得られなかった場合に契約がどうなるのかが重要です。代金が先に支払われるのか、承認後に支払われるのか、会社との手続に売主がどこまで協力するのかを確認してください。
株券発行会社か株券不発行会社かで手続が変わる
非上場会社では、古い会社ほど株券発行会社の定款になっている場合があります。株券発行会社では、株券の交付が株式譲渡の実行に関わるため、株券を実際に持っているか、紛失していないかを確認する必要があります。
一方、株券不発行会社では、株主名簿の名義書換えが重要になります。売買契約を締結し、代金を受け取っても、会社が株主名簿の書換えを拒むと、買主側との間だけでなく会社との関係でも問題が残ります。
買取業者に売却する場合は、株券の有無、名義書換、譲渡承認、代金支払を一つのクロージング手続として設計する必要があります。
口コミ・評判だけで買取業者を選ばない
買取業者を検討するとき、インターネット上の口コミや評判を調べたくなるのは自然です。しかし、非上場株式の売却は、会社規模、株式比率、親族関係、譲渡制限、資料の有無、相続税評価、紛争性によって結果が大きく変わります。そのため、ある人の成功談や不満が、そのまま自分の案件に当てはまるとは限りません。
口コミを見る場合でも、次の点を確認してください。
- その口コミが実際の利用者によるものか
- 対象株式の会社規模、保有割合、譲渡制限の有無が自分と近いか
- 買取価格、手数料、支払時期、契約条件が具体的に分かるか
- 良い口コミ・悪い口コミのどちらにも偏りがないか
- 公式サイトの実績、会社概要、代表者、専門家体制と整合しているか
口コミは参考情報にとどめ、最終的には、契約書、査定根拠、担当者の説明、会社概要、専門家体制、法的リスクを確認して判断することが大切です。
会社・大株主への売却と買取業者への売却の違い
会社・大株主へ売却する場合と、買取業者へ売却する場合では、価格形成が違います。
会社・大株主は、株式を集約することで経営の安定、親族トラブルの解消、将来の相続・事業承継の整理というメリットを得ることがあります。そのため、少数株主にとっては、会社・大株主の事情を踏まえて交渉する余地があります。
一方、買取業者は、取得後の保有・転売・会社との交渉・価格決定手続などを見込んで投資判断をします。そのため、業者にとってのリスクが大きいほど、買取価格は低くなりやすいです。
少数株主としては、最初から業者への売却だけに絞るのではなく、会社・大株主への買取交渉、第三者候補、法定の買取請求、価格決定手続、買取業者への売却を比較して判断することが重要です。実際の解決イメージは少数株主の解決事例も参考になります。
買取業者の利用が向いている場合
買取業者の利用が向いている可能性があるのは、次のようなケースです。
- 会社・大株主との直接交渉を避けたい
- 早期に現金化したい事情がある
- 会社が買い取る意思を示さず、買い手探索が必要である
- 株式の価値や会社の将来性が一定程度あり、第三者が投資対象として評価しやすい
- 契約条件や価格について、事前に専門家へ相談してから判断できる
反対に、会社に十分な現預金がある、株式比率が高い、純資産や収益が大きい、会社側に株式集約ニーズがある、低額提示に強く反論できる資料がある場合は、先に会社・大株主との交渉を検討した方がよいこともあります。
買取業者を比較するときのチェックリスト
買取業者や買取サービスを比較するときは、ランキングや知名度だけでなく、次の項目を確認してください。
- 運営会社、代表者、資本関係、大企業・上場グループの背景の有無
- 自社で直接買い取るのか、買い手を探すのか、売却支援だけなのか
- 買取対象となる会社規模、保有比率、株式価値の目安
- 株価算定の方法と、査定価格の根拠
- 相談料、査定料、成功報酬、買取手数料、その他費用
- 譲渡制限がある場合の対応方針
- 弁護士、税理士、公認会計士との連携体制
- 株式譲渡契約書、譲渡承認、名義書換、株券交付のサポート範囲
- 契約解除、違約金、秘密保持、協力義務の内容
- 非弁行為や利益相反に関する説明が明確か
これらの説明があいまいな場合は、その場で契約しない方が安全です。特に、契約書を十分に見せない、価格の根拠を説明しない、譲渡制限の処理を曖昧にする、弁護士に相談することを嫌がるといった場合は、慎重に判断してください。
まとめ
非上場株式・少数株式の買取業者は、少数株主にとって有効な選択肢になり得ます。会社や大株主との交渉が進まない場合、買い手探索が難しい場合、早期現金化を希望する場合には、買取業者や売却支援サービスを比較する意味があります。
しかし、買取業者には、直接買取型、士業グループ型、M&A・FA型、投資会社型など複数の類型があり、強みも注意点も違います。直接買取ではスピードと現金化の可能性がある一方、価格には業者側の利益やリスクが反映されます。売却支援型では、買い手探索や評価に強みがある一方、手数料や担当範囲を確認する必要があります。
- 買取業者は、買い手なのか、売却支援者なのか、代理人なのかを分けて考えます。
- 主要サービスは、直接買取型、士業グループ型、M&A・FA型、上場グループ投資型などに分けられます。
- 価格だけでなく、譲渡承認、株式譲渡契約書、株券の有無、名義書換、支払時期を確認します。
- 口コミやランキングだけでなく、運営会社、代表者、資本背景、専門家体制、契約条件を確認します。
- 業者に売る前に、会社・大株主への交渉余地や法的手続を弁護士に確認すると、選択肢を比較しやすくなります。
少数株式は、一度売却すると、後から価格交渉をやり直すことが難しくなります。買取業者の提示額を受け入れる前に、会社・大株主への交渉余地、株価評価、譲渡制限、契約条件を整理してから判断することが重要です。
坂尾陽弁護士
関連記事
非上場株式の買取業者を検討している方は、次の記事もあわせて確認してください。
少数株式・非上場株式の売却や支配株主とのトラブルは弁護士の無料相談へ
・24時間365日受付/土日祝・夜間可
・電話・Zoomで全国対応
