非上場会社の少数株式を持っていても、会社の経営に関与できず、配当も十分に受け取れず、売りたいと思っても買い手が見つからないことがあります。会社や大株主から買取の話が来たとしても、提示された金額が低く、本当にその価格で応じてよいのか判断できないケースも少なくありません。
少数株式の法律相談では、単に「株式を売れるかどうか」だけでなく、会社・大株主に買い取ってもらう交渉余地、会社法140条や譲渡承認請求を使う方法、売買価格決定申立てを見据えた価格交渉、資料がない場合の少数株主権の使い方、買取業者へ売る前に確認すべき条件まで整理できます。
特に、非上場株式・少数株式は市場で自由に売れないため、最初の動き方を誤ると、会社側との交渉がこじれたり、不当に低い価格で手放してしまったりするおそれがあります。無料相談の段階で、現在の持株数、会社との関係、提示価格、資料の有無、相続の有無を整理しておくことが重要です。
- 少数株式の法律相談では、売却可能性、買取交渉、価格算定、資料取得を整理できます。
- 会社法140条・譲渡承認請求を活用し、会社又は指定買取人による買取を検討できる場合があります。
- 低い買取価格を提示された場合でも、裁判例や株価算定を踏まえて交渉できる余地があります。
- 株主名簿や決算書が手元にない場合でも、少数株主権を使った資料取得を検討できます。
- 買取業者へ売る前に、弁護士へ相談して価格・条件・法的手段を確認することが大切です。
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~ 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
少数株式・非上場株式の売却や支配株主とのトラブルは弁護士の無料相談へ
・24時間365日受付/土日祝・夜間可
・電話・Zoomで全国対応
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~ 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
少数株式・非上場株式の売却や支配株主とのトラブルは弁護士の無料相談へ
・24時間365日受付/土日祝・夜間可
・電話・Zoomで全国対応
少数株式の法律相談で分かること
少数株式の法律相談で最初に確認するのは、保有している非上場株式・少数株式について、どのような出口を目指せるかです。ここでいう出口には、会社や大株主への売却、既存株主・親族・第三者への譲渡、買取業者の利用、譲渡制限株式の手続、価格決定手続、相続で取得した株式の整理などが含まれます。
少数株主は、会社の議決権の大部分を持っていないため、会社の経営方針や配当政策を自由に変えることはできません。そのため、会社側から「少数株式には価値がない」「配当が少ないから安い」「買い手がいないから額面程度で十分」と説明されることがあります。しかし、その説明をそのまま受け入れるべきかは、会社の資産、収益、過去の取引、譲渡制限の有無、株主構成、交渉経緯によって変わります。
法律相談の目的は、いきなり裁判をすることではありません。まずは、現在の状況を整理し、任意交渉で解決できるのか、会社法上の手続に乗せるべきか、資料取得から始めるべきか、価格決定手続を見据えるべきかを切り分けることです。
無料相談で整理しやすい事項は、主に次のとおりです。
- 売却できる可能性:会社、大株主、親族、既存株主、第三者、買取業者など、誰に売却できる可能性があるかを確認します。
- 会社・大株主への買取交渉:会社側に買取を求めるべきか、大株主や創業家に交渉すべきか、交渉の順番を整理します。
- 会社法140条・譲渡承認請求の活用:譲渡制限株式について、会社が譲渡を承認しない場合に、会社又は指定買取人による買取を求める流れを検討します。
- 低額提示への対応:額面、過去の低額取引、配当額だけを根拠とする提示に対し、株価算定や裁判例を踏まえて反論できるかを確認します。
- 資料がない場合の対応:株主名簿、決算書、定款が手元にない場合でも、株主名簿閲覧請求や会計帳簿閲覧請求を検討できます。
- 買取業者を使うべきか:早期現金化を優先するか、会社・大株主との交渉を先に行うかを、価格や契約条件とあわせて整理します。
- 弁護士費用の見通し:初期費用を抑えた費用体系や、事案によって完全成功報酬型を提案できるかを確認します。
少数株主側にとって重要なのは、会社側から提示された説明を鵜呑みにしないことです。非上場株式は市場価格がないため、同じ株式でも、税務評価、会社側の提示価格、買取業者の提示価格、裁判所が判断する価格が一致するとは限りません。無料相談では、どの価格を前提に考えるべきか、どの資料が必要か、どの順番で動くべきかを整理できます。
少数株式・非上場株式について弁護士に相談すべき場面
少数株式について弁護士に相談すべき場面は、会社とすでに争いになっているときだけではありません。会社とまだ対立していない段階でも、最初の連絡、提示価格への返答、資料請求、譲渡先候補の探し方を誤ると、その後の交渉が不利になることがあります。
特に、非上場会社や同族会社では、会社側・大株主側が情報を持っており、少数株主側には決算書、株主名簿、定款、過去の株式取引情報がないことも多いです。そのような場合ほど、早い段階で法律相談をして、どの情報を集めるべきか、どの手続を使えるかを確認する意味があります。
少数株式を会社・大株主に売却したい
少数株式を売りたい場合、まず検討すべき相手は、会社、大株主、創業家、親族、既存株主などです。非上場株式は上場株式と異なり、市場で簡単に売却できるわけではないため、会社関係者との交渉が中心になります。
会社や大株主に対して売却を持ちかける場合、最初に「いくらで買ってほしい」と伝えるか、「資料を見せてほしい」と伝えるか、「第三者への譲渡を検討している」と伝えるかによって、その後の交渉の流れが変わります。少数株式の売却方法を整理したい場合は、少数株式を売却する方法もあわせて確認すると、全体像を把握しやすくなります。
弁護士に相談すれば、会社側に直接買取を求めるべきか、譲渡制限株式の手続を使うべきか、価格算定の資料を先に集めるべきかを検討できます。会社との関係を悪化させたくない場合も、強硬手段だけでなく、任意交渉から始める選択肢があります。
会社や大株主から低い買取価格を提示されている
会社や大株主から「この価格で買い取る」と言われた場合でも、その金額が適正とは限りません。特に、額面金額、過去の親族間取引、配当額だけを根拠にした価格は、少数株主にとって不利な金額になっていることがあります。
低額提示を受けたときは、提示額に応じる前に、会社の純資産、収益力、配当実績、過去の取引事例、保有割合、支配株主との関係を確認する必要があります。非上場株式の価格は一つの計算式で機械的に決まるものではなく、事案に応じて複数の評価方法が問題になります。
会社・大株主との買取交渉全体を整理したい場合は、少数株式・非上場株式の買取交渉の考え方も参考になります。法律相談では、提示価格を受け入れる前に、反論材料や交渉余地があるかを確認します。
譲渡制限株式で譲渡承認請求や売買価格決定申立てを検討している
非上場会社の株式には、定款で譲渡制限が付されていることが多くあります。譲渡制限株式では、株主が第三者に自由に株式を譲渡できず、会社の承認が必要になります。
このような場合でも、「会社が承認しないから売れない」と直ちに諦める必要はありません。譲渡承認請求を行い、会社が譲渡を承認しない場合には、会社又は指定買取人が株式を買い取る流れを作れる場合があります。価格で合意できないときは、裁判所に売買価格決定申立てを行うことも問題になります。
譲渡制限株式の買取請求や手続の流れは、譲渡制限株式の買取請求で詳しく整理しています。相談段階では、譲渡先候補の有無、会社への通知内容、期限、供託、価格交渉の見通しを確認することが重要です。
相続で非上場株式を取得し、持ち続けるリスクが不安
相続で親族会社や同族会社の非上場株式を取得した場合、相続人は、自分では経営に関与していないにもかかわらず、株主として会社との関係を引き継ぐことになります。配当がなく、売却先も見つからない株式であっても、相続税評価では高額に評価されることがあります。
たとえば、いわゆる大日本除虫菊事件では、相続により取得した非上場会社の株式について、配当還元方式では1株500円となる一方、通達に基づく評価では1株1万6,743円となることが問題になりました。最高裁平成11年2月23日判決は、課税庁が取引相場のない株式を財産評価基本通達に基づいて評価した場合、その評価方法は合理性を有するとした原審判断を是認しています。
この事例からも、「売れない株式だから価値は低い」「配当が少ないから相続税評価も低い」と単純に考えるのは危険です。相続で取得した非上場株式の売却を検討している場合は、相続した非上場株式を売却する方法も確認すると、相続人としての初動を整理しやすくなります。
なお、具体的な相続税額、申告方法、評価通達の適用関係は、税理士の確認が必要です。弁護士相談では、税務評価そのものを計算するというよりも、相続税評価と実際の売却可能性にズレがある場合に、会社・大株主との交渉、資料取得、売買価格決定申立て、将来の相続リスクをどう整理するかを検討します。
配当がない、帳簿が見られない、会社の状況が分からない
少数株式の相談では、「会社の決算書を見たことがない」「株主名簿が分からない」「配当が長年ない」「会社がどのくらい利益を出しているか分からない」というケースが多くあります。
会社の状況が分からないままでは、買取価格の妥当性を判断できません。会社側から「価値は低い」と言われても、会社が不動産や多額の内部留保を持っている場合や、実際には安定した利益を出している場合もあります。
このような場合には、少数株主権を使って資料を取得することを検討します。具体的には、会計帳簿閲覧請求や株主名簿閲覧請求などが問題になります。資料がないことは、相談できない理由ではなく、むしろ相談すべき理由になります。
買取業者に売る前に価格や条件を確認したい
少数株式を早く現金化したい場合、買取業者に相談することも一つの選択肢です。買取業者は、会社や大株主との交渉を避けて早期に売却できる可能性がある点でメリットがあります。
もっとも、買取業者は、転売可能性、会社側との交渉リスク、回収までの期間、手数料、契約条件を踏まえて価格を提示します。そのため、会社・大株主と直接交渉した場合や、会社法上の手続を使った場合よりも、提示価格が低くなることがあります。
買取業者を使うべきか迷っている場合は、先に弁護士へ相談し、会社・大株主への交渉余地、価格算定、契約条件、法的手段を確認することが大切です。買取業者の利用自体を否定する必要はありませんが、他の選択肢を確認しないまま売却してしまうと、後から「もっと高く売れたのではないか」と後悔する可能性があります。買取業者の仕組みや注意点は、非上場株式・少数株式の買取業者でも整理しています。
少数株式の法律相談の対象になるもの・対象外となるもの
当事務所では、非上場会社・同族会社・親族会社などの少数株主側の相談を中心に取り扱っています。他方で、すべての株式に関する相談が同じように適しているわけではありません。少数株式の法律相談では、相談対象になるものと、対象外になりやすいものを最初に整理しておくことが重要です。
相談対象になるもの
相談対象になるのは、主に、少数株主が保有する非上場株式・少数株式について、売却、買取交渉、価格確認、資料取得、相続後の処分を検討する場面です。会社や大株主とまだ対立していない段階でも、最初の動き方を確認する目的で相談できます。
- 非上場会社・同族会社・親族会社の少数株式の売却:会社、大株主、親族、既存株主、第三者への売却可能性を整理します。
- 会社・大株主への買取交渉:任意交渉で買い取ってもらえるか、会社法上の手続を使うべきかを確認します。
- 譲渡制限株式の譲渡承認請求:会社が譲渡を承認しない場合に、会社又は指定買取人による買取を検討します。
- 低額提示への対応:額面、配当額、過去取引だけを根拠とする価格提示について、評価方法や資料を確認します。
- 株価算定・売買価格決定申立てを見据えた相談:会社との価格協議がまとまらない場合に備え、資料と主張の整理を行います。
- 株主名簿・決算書・定款がない場合の資料取得:会社にどの資料を求めるべきか、少数株主権を使うべきかを検討します。
- 相続で取得した非上場株式の処分:相続税評価と実際の売却可能性のズレを踏まえ、売却・買取交渉の初動を整理します。
- 買取業者に売る前の比較相談:買取業者への売却、会社・大株主との交渉、法的手続のどれを優先すべきかを比較します。
相談対象に当たるか迷う場合でも、少数株式・非上場株式の売却、買取価格、会社資料、相続後の処分に関わる悩みであれば、まず相談で事情を整理する意味があります。
対象外となるもの
一方で、次のような相談は、本記事で想定する少数株式の法律相談とは性質が異なります。
- 上場株式の一般的な投資判断や売買タイミングに関する相談
- 未公開株詐欺、投資詐欺、集団的な被害回復を主目的とする相談
- 相続税申告、譲渡所得税申告など、税務申告だけを目的とする相談
- 証券会社の口座開設、IPO投資、未上場株式の投資商品としての購入相談
- 会社側・大株主側の少数株主対策を主目的とする相談
上場株式の投資判断は、法律相談ではなく投資判断の問題です。また、未公開株詐欺や投資詐欺は、少数株主が保有する非上場株式の売却・買取交渉とは性質が異なります。税務申告のみを目的とする場合も、税理士に相談すべき事項が中心になります。
ただし、相続税評価が高い非上場株式をどう売却するか、税理士から株式評価を受けたが会社・大株主との交渉が進まない、会社側から提示された買取価格が税務評価と大きく違う、といった相談は対象になります。税務だけでなく、売却、買取交渉、価格交渉、資料取得が問題になる場合は、弁護士に相談する意味があります。
会社側・大株主側からの相談についても、この記事では主な対象としていません。本サイトは少数株主側の売却・買取交渉・権利行使を中心に整理しているため、本文では少数株主側の初動判断に必要な範囲に絞って説明します。
会社法140条・譲渡承認請求を活用した買取交渉
非上場会社の少数株式を売却したい場合、まず確認すべきなのは、保有している株式に譲渡制限が付いているかどうかです。多くの非上場会社では、定款で株式の譲渡について会社の承認を必要とする旨が定められています。そのため、少数株主が第三者に株式を売りたいと思っても、会社が承認しなければ、上場株式のように自由に売却できるわけではありません。
もっとも、譲渡制限があるからといって、直ちに「売却できない」と決めつける必要はありません。譲渡承認請求を行い、会社が譲渡を承認しない場合には、会社又は指定買取人による買取の手続が問題になることがあります。会社法140条は、そのような局面で、会社側が株式を買い取る手続や指定買取人を用意する流れと関係する重要な条文です。
少数株式の法律相談では、単に「会社に買い取ってほしい」と伝えるだけでなく、譲渡制限の有無、譲渡先候補、会社への通知内容、会社側の回答、価格協議、売買価格決定申立てまでを見据えて、どの順番で動くべきかを整理します。
譲渡制限株式では「売りたいのに売れない」を手続に乗せる
譲渡制限株式では、少数株主が株式を売りたいと思っても、会社側から「第三者への譲渡は承認できない」「当社の株式は外部に出せない」と言われることがあります。会社や大株主が任意に買い取ってくれれば解決しやすいですが、実際には、会社側が買取を拒否したり、額面程度の低い価格しか提示しなかったりすることもあります。
このような場合に重要なのは、交渉を単なるお願いで終わらせないことです。譲渡承認請求を通じて、会社に対し、譲渡を承認するのか、承認しない場合に会社又は指定買取人による買取の手続に進むのかを明確にすることを検討します。
もちろん、譲渡承認請求をすれば必ず希望価格で売却できるわけではありません。譲渡先候補が必要になる場合があり、会社の定款、株券発行の有無、会社側の通知、価格協議、裁判所への申立ての要否など、事前に確認すべき点があります。それでも、「売れない」と思って放置するより、会社法上の手続に乗せられるかを確認することには大きな意味があります。
譲渡承認請求で確認すること
譲渡承認請求を検討するときは、まず、誰に株式を譲渡する予定なのか、会社の定款がどのように定めているのか、株主名簿上の株主が誰になっているのかを確認します。相続で取得した株式では、名義書換が未了であったり、遺産分割協議書や相続税申告書の記載と会社側の認識がずれていたりすることもあります。
また、会社に対する最初の連絡内容も重要です。単に「株式を買ってください」と伝えるのか、第三者への譲渡を前提に承認を求めるのか、資料開示を先に求めるのかによって、会社側の反応やその後の交渉の流れが変わります。
相談段階では、次のような点を整理します。
- 譲渡制限の有無:定款や会社からの通知により、株式譲渡に会社の承認が必要かを確認します。
- 譲渡先候補:親族、既存株主、第三者、買取業者など、譲渡先として想定できる相手を整理します。
- 株主名簿上の名義:相続や贈与を経ている場合、現在の株主名義と実際の権利関係を確認します。
- 会社への通知内容:承認請求、資料請求、買取交渉をどの順序で行うかを検討します。
- 価格交渉の準備:会社側の提示価格に対し、どの資料や評価方法で検討するかを整理します。
譲渡承認請求は、少数株主が会社との交渉を始める有力な入口になり得ます。ただし、通知の出し方や時期を誤ると、会社側に主導権を握られたり、価格交渉の準備が不十分なまま手続が進んだりするおそれがあります。
譲渡を承認しない場合に会社又は指定買取人による買取を検討する
会社が第三者への譲渡を承認しない場合、会社側がその株式をどう扱うかが問題になります。会社自身が買い取るのか、指定買取人を指定するのか、任意交渉に戻るのかによって、少数株主側の対応は変わります。
少数株主側としては、「会社が外部への譲渡を認めないのであれば、会社側で買い取る相手を用意してください」という形で交渉の土台を作ることを検討できます。これは、単に会社に任意で買取をお願いする場合と異なり、会社法上の手続を背景にして、会社側に対応を求める点に特徴があります。
もっとも、会社又は指定買取人による買取の流れに進んでも、価格で争いになることは少なくありません。会社側は、少数株式であること、配当が少ないこと、過去の親族間取引が低額だったことなどを理由に、低い価格を提示することがあります。そのため、会社法140条・譲渡承認請求を使う場合でも、価格交渉と資料取得をセットで考える必要があります。
譲渡制限株式の買取請求や手続の詳しい流れは、譲渡制限株式の買取請求で整理しています。本記事では、少数株式の法律相談として、手続を使う前に確認すべき点を押さえておきましょう。
価格に合意できない場合は売買価格決定申立てが問題になる
会社又は指定買取人が買い取る方向になっても、売買価格について合意できない場合があります。少数株主側は、会社側が提示した金額をそのまま受け入れる前に、会社の純資産、収益力、配当実績、過去の取引事例、譲渡株式数、譲受人の立場などを確認する必要があります。
協議で価格がまとまらない場合には、裁判所に売買価格決定申立てを行うことも検討します。売買価格決定申立てでは、対象会社の資産状態だけでなく、継続企業としての収益力、配当、過去の取引、譲渡人・譲受人の立場などが争点になり得ます。
売買価格決定申立ての詳細は、非上場株式・少数株式の売買価格決定申立てで詳しく解説しています。少数株式の法律相談では、申立てを直ちに行うかだけでなく、申立てを見据えてどの資料を集め、どの評価方法を検討し、会社側とどこまで任意交渉するかを整理します。
会社法140条・譲渡承認請求を検討する場合でも、会社への通知内容、譲渡先候補、定款、株券発行の有無、会社側の回答時期、価格協議の進め方によって対応が変わります。会社に連絡する前に、手続設計を確認しておくことが重要です。
会社法140条を使う前に弁護士へ相談すべき理由
会社法140条・譲渡承認請求に関する手続は、少数株主にとって有力な選択肢になり得ますが、使い方を誤ると、かえって交渉が難しくなることがあります。たとえば、正式な承認請求として扱われるか不明確な文書を送ってしまうと、会社側から「単なる相談にすぎない」と反論される可能性があります。
また、会社側が指定買取人を用意した場合、その指定買取人が大株主、親族、役員、関係会社、第三者のいずれなのかによって、価格交渉の考え方も変わります。指定買取人が会社の支配株主に近い立場であれば、少数株主側としては、譲受人の立場を踏まえた価格主張を検討する必要があります。
弁護士に相談すれば、譲渡承認請求を使うべきか、先に任意交渉を行うべきか、買取業者も含めて譲渡先候補を比較すべきか、価格決定手続まで見据えるべきかを整理できます。少数株式は「売れない」と決めつける前に、会社法上の手続を使って交渉の土台を作れるかを確認しましょう。
低い買取価格を提示された場合の価格交渉と裁判例
会社や大株主から買取価格を提示されたとき、少数株主側が最も悩みやすいのは、「その金額が本当に妥当なのか」という点です。非上場株式には上場株式のような市場価格がないため、会社側から「過去にもこの価格で買い取っている」「配当が少ないから価値は低い」「少数株式だから額面程度で十分」と説明されることがあります。
しかし、少数株式の価格は、額面、配当額、過去の一部取引だけで機械的に決まるものではありません。会社の純資産、収益力、配当政策、過去の取引事例の客観性、譲渡人・譲受人の立場、譲渡株式数、会社の事業継続性など、複数の事情を踏まえて検討する必要があります。
少数株式の法律相談では、会社側の提示価格を受け入れる前に、どの評価方法が使われているのか、他の評価方法を主張できる余地があるのか、売買価格決定申立てを見据えて資料を集めるべきかを整理します。非上場株式の評価方法の全体像は、非上場株式の株価評価・価格算定でも整理しています。
少数株式では低額提示が起きやすい
少数株式は、単独では会社の経営を支配できないため、会社側から低く評価されやすい傾向があります。会社側は、少数株主が役員選任や配当政策を自由に決められないこと、外部に買い手が見つかりにくいこと、譲渡制限があることなどを理由に、低い価格を提示することがあります。
確かに、支配株式と少数株式では、評価の考え方が異なる場合があります。少数株主が会社の経営を支配できない点、市場で自由に売却できない点、配当をコントロールできない点は、価格評価に影響することがあります。
もっとも、だからといって、少数株式の価値が常に額面程度になるわけではありません。会社に多額の純資産がある場合、安定した収益がある場合、配当が政策的に低く抑えられている場合、譲渡株式数が一定の影響力を持つ場合には、配当だけでなく、収益力や純資産も考慮して価格を検討できる余地があります。
額面・配当・過去取引だけで判断しない
会社側が提示する価格の根拠として、額面金額、過去の親族間取引、長年の慣行価格、配当額が挙げられることがあります。しかし、それらが直ちに適正価格を示すとは限りません。
過去取引を根拠にする場合は、その取引がいつ行われたのか、独立した当事者間で行われたのか、取引量が今回と同程度か、会社の財務状況が当時と現在で変わっていないかを確認する必要があります。身内間の便宜的な取引や、会社側が一方的に決めた価格があるだけでは、適正価格を示す十分な根拠にならないことがあります。
配当額についても同じです。配当が少ないことは少数株主の投資価値を考えるうえで重要な要素ですが、会社が内部留保を厚くしている場合、不動産や有価証券などの資産を多く保有している場合、安定した収益力がある場合には、配当だけで価格を判断すると、会社の実態を十分に反映しないことがあります。
東京地裁平成26年9月26日決定に見る評価方法の併用
東京地裁平成26年9月26日決定は、譲渡制限株式の売買価格決定申立てにおいて、少数株式の価格交渉を考えるうえで参考になる裁判例です。この事案では、譲渡等承認請求がされた株式について、譲渡を承認しない会社側から指定買取人が指定され、売買価格が争われました。
同決定は、対象会社における過去の取引事例について、1件が認められるだけであり、その取引量も今回と同程度とはいえないとして、取引事例法を採用しませんでした。そのうえで、対象会社の事業継続性、中小企業としての事業リスク、譲渡人・譲受人の立場を踏まえ、配当還元法、DCF法、純資産法を併用して価格を判断しました。
具体的には、譲受人側の立場からはDCF法と純資産法を0.5対0.5で考え、譲渡人側の立場からは配当還元法0.6、DCF法0.2、純資産法0.2で考えたうえで、最終的にDCF法0.35、純資産法0.35、配当還元法0.3の割合で加重平均し、1株693円としました。会社側・指定買取人側の低い主張をそのまま採用したわけではない点が重要です。
この裁判例から分かるのは、少数株式であっても、配当額や過去の一部取引だけで価格が決まるとは限らないということです。会社の事業継続性、純資産、将来収益、譲渡人と譲受人の立場などを踏まえ、複数の評価方法を組み合わせて判断されることがあります。
会社自身が買い取る場面や双方の立場で評価方法が変わることがある
価格評価では、誰が株式を買い取るのかも重要です。会社自身が自己株式として取得する場合、会社は配当を受け取るために株式を取得するわけではありません。そのため、少数株主が第三者に売る場面とは、価格評価の考え方が変わることがあります。
札幌高裁平成17年4月26日決定は、会社自身が譲受人となる事案で、対象会社は自己株式の取得により当該株式についての配当を免れる立場にあり、配当利益を受けることを目的として自己株式を取得することはあり得ないとして、配当還元法に重きを置くことはできないとしました。そのうえで、配当還元法、収益還元法、純資産法を併用して価格を判断しています。
また、広島地裁平成21年4月22日決定は、会社法上の価格決定手続において、譲渡人と譲受人を双方対等の立場で評価すべきであるとし、譲渡人の立場からは配当還元法、譲受人の立場からはDCF法が合理的であるとして、双方を1対1で反映させました。
大阪高裁平成元年3月28日決定も、一般少数非支配株主にとっては配当が重要であるとしつつ、配当金が多数者の配当政策に左右される場合には、会社資産の解体価値に基づく価格が株価の最低限を画する意義を持つと述べています。配当が少ないという理由だけで極端に低い価格を提示された場合でも、会社資産や多数株主・少数株主の利害調整を踏まえて検討する余地があります。
裁判例を挙げれば必ず価格が上がるわけではありません。重要なのは、会社側の提示価格がどの評価方法に基づくものか、別の評価方法を主張できる資料があるか、売買価格決定申立てを見据えるべきかを整理することです。
売買価格決定申立てを見据えて資料を集める
価格交渉で重要なのは、裁判例の名前を挙げること自体ではなく、あなたの株式について、どの評価方法を主張できる資料があるかです。純資産法を検討するには貸借対照表や資産内容、DCF法や収益還元法を検討するには過去の損益や事業の収益性、配当還元法を検討するには配当実績や配当政策が必要になります。
会社側が決算書を出さない、株主名簿を見せない、過去の取引価格を説明しないという場合には、少数株主権を使った資料取得も検討します。価格交渉と資料取得は切り離せません。資料が不足したまま交渉を続けると、会社側の提示価格を検証できず、不利な条件で合意してしまうおそれがあります。
売買価格決定申立ての流れや判断要素を詳しく確認したい場合は、非上場株式・少数株式の売買価格決定申立てをご覧ください。少数株式の法律相談では、申立てを直ちに行うかだけでなく、申立てを見据えた交渉文書、資料請求、価格算定の準備をどの順番で進めるかを検討します。
少数株式売却の相談前に準備する資料と、資料がない場合の対応
少数株式の法律相談では、資料があるほど、売却可能性、会社法140条の活用、買取価格の妥当性、売買価格決定申立ての見通しを具体的に検討しやすくなります。もっとも、少数株主は会社から十分な資料を渡されていないことが多く、決算書や株主名簿を一度も見たことがないというケースも少なくありません。
資料がないことは、相談できない理由ではありません。むしろ、資料がない場合こそ、会社にどの資料を求めるべきか、少数株主権を使うべきか、資料請求と売却交渉をどの順番で進めるべきかを整理する必要があります。
相談前に準備できる資料
相談前に準備できる資料としては、次のものが重要です。すべてをそろえる必要はありませんが、手元にあるものをできる範囲で整理しておくと、初回相談で状況を把握しやすくなります。
- 保有株式数・保有割合が分かる資料:株券、株主名簿の写し、会社からの通知、相続税申告書、過去の株式譲渡契約書などです。
- 株主名簿:誰がどれだけ株式を持っているか、会社・大株主との関係、同族関係、譲渡先候補を確認するために重要です。
- 決算書・貸借対照表・損益計算書:純資産、利益、配当余力、会社の継続性、価格交渉の材料を確認するために使います。
- 定款:譲渡制限の有無、株券発行会社かどうか、株式の種類、会社法上の手続を確認するために必要です。
- 会社・大株主とのやり取り:買取価格の提示書面、メール、LINE、議事録、通知書、交渉経緯が分かる資料です。
- 相続関係の資料:遺産分割協議書、相続税申告書、税理士作成資料、被相続人の保有株式数が分かる資料などです。
- 過去の配当・株主総会関係資料:配当通知、株主総会招集通知、事業報告、計算書類などがあると、会社の状況や株主としての扱いを確認できます。
特に重要なのは、保有株式数と保有割合です。会社法上の手続、少数株主権の行使、価格評価、交渉方針は、持株数・持株割合によって変わることがあります。正確な数字が分からない場合でも、「おおよそ何株」「親族の中でどの程度」「相続税申告書ではどう記載されたか」といった情報があるだけでも、初期判断の材料になります。
資料がなくても相談できる
少数株主の方からは、「株主名簿がない」「決算書を見たことがない」「自分が何株持っているか会社が教えてくれない」という相談が多くあります。非上場会社や同族会社では、会社側・大株主側が情報を持っており、少数株主側には資料がほとんどないことがあります。
このような場合でも、相談を先延ばしにする必要はありません。弁護士は、まず手元資料と相談者の記憶から、株主であること、保有割合の目安、会社との関係、株式取得の経緯、会社側の対応を整理します。そのうえで、不足している資料について、会社に任意で開示を求めるか、少数株主権を使うかを検討します。
相談時には、資料がそろっていなくても、会社名、会社所在地、会社との関係、株式を取得した経緯、会社から言われていること、売却したい理由、提示価格の有無を分かる範囲で伝えてください。資料の有無よりも、現在どの段階にあるかを整理することが重要です。
株主名簿・決算書・定款がない場合の対応
株主名簿がない場合には、まず自分が株主としてどのように記載されているか、会社が株主として認めているかを確認する必要があります。相続で取得した株式では、名義書換が済んでいない場合や、会社側が相続人の株主資格を争う場合もあります。このようなときは、株主名簿閲覧請求を検討します。
決算書や帳簿がない場合には、会社の純資産、収益力、配当余力を把握できません。会社側から低い買取価格を提示されても、資料がなければ、その価格が妥当かを検証できません。会社の会計帳簿や関連資料を確認する必要がある場合には、会計帳簿閲覧請求を検討します。
定款がない場合には、譲渡制限の有無、株券発行会社かどうか、種類株式の有無、株式譲渡に関する手続を確認しにくくなります。定款の内容は、会社法140条や譲渡承認請求を使うかどうかを判断するうえでも重要です。少数株主権の全体像は、少数株主権の使い方でも整理しています。
資料請求は価格交渉の準備でもある
資料請求は、単に会社の情報を知るためだけのものではありません。会社・大株主への買取交渉、会社法140条を活用した譲渡承認請求、売買価格決定申立て、買取業者への売却判断に直結します。
たとえば、会社が「赤字だから株式価値は低い」と説明している場合でも、貸借対照表上は多額の純資産や不動産があるかもしれません。逆に、会社が「純資産があるから高い」と説明していても、その資産が事業継続に必要なものであり、実際の売却価格にそのまま反映されるとは限らない場合もあります。資料を見なければ、会社側の説明を検証できません。
また、資料請求の方法やタイミングを誤ると、会社側から「目的が不当である」「嫌がらせである」と反論されることがあります。資料請求を行う場合は、売却交渉や価格算定との関係を整理し、必要な資料を必要な範囲で求めることが重要です。
少数株式の法律相談では、資料がある場合はその資料を前提に売却可能性や価格交渉を検討し、資料がない場合は、どの資料をどの順序で取得するかを整理します。会社に連絡する前の段階でも、会社側から低額提示を受けた後でも、まずは資料と交渉方針を整理することが大切です。
少数株式・非上場株式の売却や支配株主とのトラブルは弁護士の無料相談へ
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買取業者に売る前に弁護士へ相談すべき理由
非上場株式・少数株式を早く現金化したい場合、買取業者への売却は選択肢の一つです。会社や大株主との交渉を続ける負担を避けたい、親族会社との関係をこれ以上悪化させたくない、相続税や生活資金の関係で早めに換価したいという場合には、買取業者の利用を検討する意味があります。
もっとも、買取業者に売る前には、価格、契約条件、会社・大株主との交渉余地、会社法140条を活用した手続の可能性を確認することが重要です。買取業者は、買い取った株式を転売できるか、会社との交渉にどの程度のコストがかかるか、名義書換や譲渡承認にどのようなリスクがあるかを踏まえて価格を提示します。そのため、会社・大株主と直接交渉した場合や、会社法上の手続を使った場合よりも、提示価格が低くなることがあります。
買取業者は早期現金化の選択肢になる
買取業者のメリットは、会社や大株主との交渉を自分で続けなくても、比較的早く現金化できる可能性がある点です。会社との関係が悪化している場合、親族間で直接交渉しにくい場合、少額の株式を早く処分したい場合には、現実的な選択肢になることがあります。
特に、会社側が任意の買取に応じない、連絡しても回答が遅い、親族間の感情的な対立が強いといったケースでは、第三者である買取業者に売却することで、株主としての関係を整理できる場合があります。少数株式を持ち続けること自体が負担になっている方にとって、スピードを重視する選択肢として検討する価値があります。
ただし、早期現金化を重視するほど、価格面では不利になりやすいこともあります。買取業者は、取得後に会社・大株主と交渉するリスクや、名義書換が進まないリスク、資料不足による評価リスクを織り込みます。そのため、買取業者の提示額だけを見て判断するのではなく、会社・大株主への交渉余地や、法的手続を使った場合の見通しと比較することが大切です。
価格だけでなく契約条件と名義書換を確認する
買取業者から見積りを受けた場合、まず目に入るのは買取価格です。しかし、非上場株式の売却では、価格だけでなく、契約条件や名義書換の扱いも重要です。契約書に署名した後で、会社が名義書換に応じない、譲渡承認が必要だった、株券の有無が問題になった、追加資料の提出を求められた、ということもあり得ます。
また、契約書には、表明保証、解除条項、費用負担、会社への通知方法、名義書換への協力義務、紛争が起きた場合の対応などが定められることがあります。提示価格が高く見えても、条件次第では、売主側に思わぬ負担が残る可能性があります。
買取業者の仕組みや注意点は、非上場株式・少数株式の買取業者で詳しく整理しています。買取業者を一律に否定する必要はありませんが、提示価格が妥当か、契約条件に不利な点がないか、他の選択肢を先に検討すべきかを確認してから判断した方が安全です。
- 譲渡制限の有無:定款で譲渡承認が必要とされていないかを確認します。
- 名義書換の流れ:契約後に会社が株主名簿を書き換える手続を確認します。
- 株券発行会社かどうか:株券が発行されている場合、株券の所在や引渡しが問題になります。
- 契約上の負担:表明保証、解除、費用負担、協力義務などを確認します。
- 他の売却先との比較:会社・大株主・第三者への売却可能性と比較します。
これらを確認しないまま売却すると、価格面では納得していても、後から手続や条件をめぐってトラブルになる可能性があります。弁護士に相談すれば、買取業者へ売る場合のリスクだけでなく、売らない場合の交渉余地も含めて比較できます。
会社・大株主との交渉余地を先に確認する
買取業者に売る前に確認したいのは、会社・大株主に直接売却できる可能性です。会社側が「買い取らない」と言っている場合でも、譲渡制限株式であれば、第三者への譲渡承認請求を通じて、会社又は指定買取人による買取の流れを作れる場合があります。
また、会社や大株主から低い価格を提示されている場合でも、会社の純資産、収益力、配当実績、過去の取引事例、保有割合、譲渡される株式数などを踏まえて、価格交渉の余地を検討できます。会社側が額面や過去の低額取引だけを根拠にしている場合には、資料取得や株価算定を行うことで、交渉材料を整理できることがあります。
会社・大株主との買取交渉の考え方は、少数株式・非上場株式の買取交渉でも整理しています。弁護士相談では、買取業者に売るべきか、会社・大株主に直接交渉すべきか、会社法上の手続を使うべきかを、価格だけでなく時間、関係性、資料の有無、紛争リスクも踏まえて検討します。
買取業者に相談済みでも弁護士相談は可能
すでに買取業者から見積りを受けている場合でも、弁護士に相談する意味はあります。提示価格が低いのか、契約条件に注意点があるのか、会社・大株主と交渉すればより高い価格を目指せるのかを確認できるためです。
買取業者への売却を選ぶ場合でも、契約前に、譲渡制限、会社の承認、株主名簿の名義書換、株券の有無、表明保証、費用負担を確認しておく必要があります。非上場株式は、契約書に署名すれば直ちにすべてが終わるとは限りません。会社が名義書換に応じない場合や、譲渡承認をめぐって争いになる場合もあります。
少数株式を早く処分したい場合でも、買取業者に売るか、会社・大株主と交渉するか、第三者譲渡を検討するかを比較してから動くことで、不利な条件で手放すリスクを減らせます。買取業者への相談は、選択肢を狭めるものではなく、弁護士相談で他の選択肢と比較するための材料として使うことができます。
少数株式案件の弁護士費用と完全成功報酬型の費用体系
少数株式の法律相談で多い不安の一つが、弁護士費用です。非上場株式・少数株式の案件では、相談時点で、会社が本当に買い取るのか、どの程度の価格になるのか、資料取得にどのくらい時間がかかるのかが明確でないことがあります。
そのため、株式価値だけを基準に通常の着手金を算定すると、相談者にとって負担が大きくなる場合があります。少数株主案件では、事案の内容に応じて、初期費用を抑えた費用体系や、完全成功報酬型の費用体系を提案できる場合があります。
初期費用を抑えた費用体系を検討できる場合があります
少数株式の売却・買取交渉では、最初に行うべきことが、訴訟ではなく、資料確認、会社との交渉、株価算定の見通し確認であることも多くあります。このような場合、依頼時点で高額な着手金を設定するよりも、初期費用を抑え、売却実現時や回収時に成功報酬で精算する方が、相談者にとって利用しやすいことがあります。
もちろん、すべての案件で同じ費用体系になるわけではありません。保有株式数、見込まれる売却価格、会社側の対応、資料の有無、交渉で終わる可能性、裁判所の手続に進む可能性によって、適切な費用体系は変わります。
無料相談では、まず事案の概要を確認したうえで、どの程度の作業が必要か、どの段階から正式依頼とするか、初期費用を抑えた費用体系を提案できる可能性があるかを説明します。弁護士費用の考え方は、少数株主の弁護士費用と成功報酬でも整理しています。
完全成功報酬型で進められるかは事案ごとの判断です
少数株主案件では、事案によって、完全成功報酬型で進められる場合があります。これは、少数株主側が「費用をかけても回収できるか分からない」という不安を抱えやすいことを踏まえた費用体系です。
ただし、完全成功報酬型で対応できるかどうかは、個別事情を見て判断します。株式の価値が一定程度見込まれるか、会社・大株主との交渉可能性があるか、資料取得の見通しがあるか、相手方の資力や対応状況がどうか、裁判手続に進む可能性がどの程度あるかによって、適切な費用体系は変わります。
- 株式価値の見込み:売却又は買取により回収できる可能性があるかを確認します。
- 会社側の対応:任意交渉で動く可能性があるか、手続に入る必要があるかを見ます。
- 資料の有無:株主名簿、決算書、定款などがあるか、不足資料を取得できるかを確認します。
- 紛争の見通し:交渉で終わるのか、売買価格決定申立てや資料請求を見据えるのかを検討します。
- 費用倒れのリスク:弁護士費用をかけて進める合理性があるかを確認します。
完全成功報酬型は、相談者にとって利用しやすい一方で、弁護士側が案件の見通しを慎重に確認する必要があります。そのため、「必ず完全成功報酬で対応できる」とは限りません。無料相談では、事案に応じた費用体系を個別に説明します。
無料相談では費用をかけて交渉すべきかも整理します
弁護士費用を考えるうえで重要なのは、単に費用額だけを見ることではありません。会社や大株主から低い価格を提示されている場合、資料を確認せずに応じると、本来検討できた交渉余地を失う可能性があります。一方で、株式価値が小さい、会社側に買い取る意思や資力がない、資料取得にも大きなコストがかかるという場合には、弁護士費用をかけて交渉する合理性を慎重に判断する必要があります。
無料相談では、費用をかけて会社・大株主と交渉すべき事案か、まず資料取得だけを検討すべき事案か、買取業者への売却と比較すべき事案かを整理します。少数株主案件では、「費用をかけるべきかどうか」自体が重要な相談事項です。
完全成功報酬型や初期費用を抑えた費用体系は、案件ごとの判断になります。株式価値、資料の有無、会社側の対応、交渉可能性を確認したうえで、無理のない進め方を検討します。
少数株式の法律相談で当事務所が選ばれる理由
少数株式の問題は、単に会社法の条文を知っているだけでは解決しにくい分野です。非上場株式には市場価格がなく、会社資料も少数株主の手元にないことが多く、相手方も会社、大株主、親族、役員、買取業者など事案ごとに異なります。そのため、相談先を選ぶときは、少数株主側の売却、買取交渉、価格算定、資料取得、費用体系を一体で整理できるかが重要です。
当事務所では、非上場会社の少数株主からの相談を、売却可能性、会社・大株主への交渉、会社法140条を活用した手続、売買価格決定申立て、会計帳簿や株主名簿の確認、費用体系までまとめて検討します。会社から低い価格を提示された場合でも、提示額だけを前提に判断するのではなく、資料の有無、裁判例、会社の資産・収益、配当状況を踏まえて交渉方針を整理します。
四大法律事務所出身の弁護士が直接対応します
少数株主案件では、最初の相談段階で、株式の取得経緯、保有割合、会社との関係、譲渡制限の有無、提示価格、相続の有無などを確認する必要があります。最初の見立てを誤ると、会社側への通知内容や交渉順序を誤り、かえって売却交渉が難しくなることがあります。
当事務所では、四大法律事務所出身の弁護士が、少数株式・非上場株式の相談に直接対応します。事務職員だけが事情を聞き取って終わるのではなく、弁護士が、法的手続に乗せるべきか、任意交渉を優先すべきか、資料取得から始めるべきか、買取業者も含めて比較すべきかを整理します。
非上場株式の売却は、会社法、株価評価、親族関係、税務、会計資料の読み取りが交差するため、一般的な債権回収や契約トラブルとは異なる視点が必要です。少数株主側の立場から、どの手段をどの順序で使うかを検討できる点が、弁護士に相談する大きな意味です。
少数株式・非上場株式案件の解決実績があります
当事務所では、少数株式・非上場株式の売却や買取交渉について、複数の解決実績があります。たとえば、数億円規模での買取成功、約1,200万円の買取代金の獲得、少数株式の整理が会社全体のM&Aにつながった事例などがあります。
少数株主案件では、単に「会社に買い取ってください」と伝えるだけでは交渉が進まないことがあります。会社側が低い価格しか提示しない場合、株主名簿や決算書を開示しない場合、親族関係を理由に話し合いがこじれる場合、買取業者から安い見積りしか出ない場合など、状況に応じた対応が必要です。
当事務所では、会社・大株主との交渉、第三者譲渡の可能性、買取業者の活用、会社法上の手続、価格評価、資料取得を組み合わせて、現実的な解決可能性を探ります。具体的な解決イメージは、少数株主の解決事例でも紹介しています。
全国対応・オンライン完結で相談できます
非上場会社の少数株主は、会社所在地と株主の住所が離れていることも多くあります。相続で株式を取得した場合、会社は地方にあるが相続人は都市部に住んでいる、親族会社の本店は遠方にある、というケースも少なくありません。
当事務所では、電話、Zoom、メールフォームを利用した全国対応が可能です。遠方の方でも、会社資料やこれまでのやり取りを事前に共有していただければ、オンラインで状況を整理できます。資料の確認、交渉方針の説明、費用体系の説明も、オンラインで進めることができます。
会社や大株主に連絡する前の段階でも、会社から低額提示を受けた後でも、資料が手元にない段階でも相談できます。平日の日中に時間を取りにくい方や、遠方の会社の株式を相続した方も、まずは相談しやすい方法で事情を整理してください。
弁護士直通電話・メディア掲載・相談満足度約91%
少数株式の相談では、一般的な受付で要件を簡単に伝えるだけでは、事情が十分に伝わらないことがあります。保有株式数、親族関係、会社の規模、提示価格、資料の有無、相続税評価、会社とのやり取りなど、初回から法的な見立てに関わる情報が多いためです。
当事務所では、弁護士直通電話による相談導線を設け、少数株主の方が事情を伝えやすい体制を整えています。また、メディア掲載・テレビ出演実績もあり、非上場株式・少数株主問題に関する専門性を外部にも発信しています。
無料相談後の満足度は約91%です。もちろん、すべての案件で売却や高額買取を保証できるわけではありませんが、相談の段階で、売却可能性、会社・大株主への交渉余地、会社法上の手続、価格算定、資料取得、費用面の見通しを整理できるよう努めています。
無料相談の流れとフォーム入力例
少数株式の法律相談では、最初からすべての資料をそろえる必要はありません。むしろ、株主名簿、決算書、定款、過去の配当資料などが手元にないからこそ、どの資料を取得すべきか、会社にどのように連絡すべきか、どの順番で交渉すべきかを整理する意味があります。
無料相談では、まず現在の状況を確認し、売却・買取交渉・資料取得・価格算定・相続株式の整理のうち、どこに重点を置くべきかを検討します。そのうえで、正式に依頼する場合の進め方、費用体系、会社や大株主に連絡する前に注意すべき点を説明します。
相談の基本的な流れ
少数株式の相談は、いきなり裁判や申立てから始まるとは限りません。まずは、相談者の保有株式、会社との関係、会社側の対応、資料の有無を確認し、任意交渉で進めるのか、資料請求から始めるのか、会社法上の手続を見据えるのかを切り分けます。
- 電話又はメールフォームで問い合わせる
- 保有株式数、会社との関係、売却希望、提示価格を整理する
- 弁護士が売却可能性、買取交渉、資料取得の方針を確認する
- 必要に応じて費用体系と正式依頼後の進め方を説明する
- 依頼後、会社・大株主との交渉や手続の準備に進む
会社や大株主に先に連絡してしまうと、低い価格を提示され、その金額を前提に交渉が進んでしまうことがあります。特に、譲渡制限株式で会社法140条や譲渡承認請求を活用する可能性がある場合は、通知内容、譲渡先候補、価格交渉の進め方が重要です。会社に連絡する前の段階で相談すると、初動を誤るリスクを下げやすくなります。
フォームに入力すると相談がスムーズになる事項
メールフォームで問い合わせる場合、次の情報を分かる範囲で記載すると、初回相談で確認すべきポイントを整理しやすくなります。分からない項目があっても、空欄のままで差し支えありません。
- 会社名・所在地・業種:会社の規模や事業内容により、資料取得や価格評価の考え方が変わる場合があります。
- 保有株式数・保有割合:株主名簿や通知書がなくても、分かる範囲で記載してください。
- 株式を取得した経緯:相続、贈与、退職時の取得、創業時の出資など、取得経緯によって確認すべき論点が変わります。
- 売却希望の有無:すぐに売りたいのか、価格次第で売りたいのか、将来の相続対策として整理したいのかを記載してください。
- 会社・大株主から提示された金額:提示額、根拠として説明された評価方法、提示時期が分かると価格交渉を検討しやすくなります。
- 会社や大株主とのやり取り:メール、書面、LINE、電話メモなどがあれば、交渉経緯を確認できます。
- 相続で取得した株式かどうか:相続税評価、遺産分割、他の相続人との関係も確認すべき場合があります。
- 株主名簿・決算書・定款など資料の有無:資料がない場合も、その旨を記載すれば十分です。
少数株主は、会社の決算書、株主名簿、定款を持っていないことが少なくありません。資料がないことは、相談できない理由ではなく、株主名簿閲覧請求や会計帳簿閲覧請求など、どの少数株主権を使うべきかを検討するきっかけになります。
相談後に正式依頼するかどうかは、その場で決めなくてもかまいません
無料相談では、現在の状況でどのような選択肢があるか、弁護士に依頼する場合にどのような流れになるか、費用体系がどのようになるかを説明します。相談したからといって、その場で正式依頼を決めなければならないわけではありません。
少数株式の売却は、親族関係や会社との関係に影響することもあります。会社・大株主との交渉を始める前に、どの程度強く請求するか、まずは資料請求から始めるか、買取業者への売却と比較するか、相続税評価とのズレをどこまで考慮するかを検討することが大切です。
正式依頼に進む場合は、事案に応じて、会社・大株主への通知、資料請求、買取交渉、譲渡承認請求、売買価格決定申立てを見据えた準備などを行います。弁護士費用については、初期費用を抑えた費用体系や、事案によって完全成功報酬型を提案できる場合があります。
よくある質問
少数株式の法律相談でよくある質問を整理します。実際の結論は、会社の定款、保有割合、資料の有無、会社側の対応、提示価格、相続の有無によって変わります。
少数株式について無料相談だけでも利用できますか。
無料相談だけでも利用できます。売却すべきか、会社・大株主と交渉できるか、買取業者に売るべきか、価格が妥当か、資料がない場合に何をすべきかを整理する目的で相談していただけます。
ただし、会社への通知、譲渡承認請求、資料請求、売買価格決定申立てなど、具体的な対応に進む場合は、正式依頼が必要になることがあります。
資料がほとんどなくても相談できますか。
相談できます。少数株主は、会社から決算書や株主名簿を渡されていないことが多いため、資料がないこと自体は珍しくありません。
保有株式数、会社名、株式を取得した経緯、会社とのやり取りが分かれば、初回相談で方向性を整理できます。必要に応じて、株主名簿閲覧請求、会計帳簿閲覧請求、定款の確認、会社への照会を検討します。
会社に買取を断られていても少数株式について相談できますか。
相談できます。会社や大株主から任意の買取を断られていても、譲渡制限株式であれば、会社法140条や譲渡承認請求を活用し、会社又は指定買取人による買取の流れを検討できる場合があります。
もっとも、会社に必ず希望価格で買い取らせられるわけではありません。譲渡先候補、定款、通知内容、価格協議、裁判所への申立ての要否などを確認し、事案に応じた進め方を検討します。
会社や大株主から低い価格を提示されていますが、価格を上げられますか。
必ず価格を上げられるとは限りません。ただし、会社側の提示価格が、額面、配当額、過去の一部取引、税務評価だけを根拠にしている場合には、裁判例や会社資料を踏まえて、別の評価方法を主張できる余地があります。
低額提示を受けた場合は、提示額を受け入れる前に、会社の純資産、収益力、配当実績、過去の取引事例、譲渡される株式数、支配株主との関係を確認することが重要です。
買取業者に相談済みでも弁護士に少数株式売却の相談ができますか。
相談できます。買取業者の提示価格や契約条件が妥当か、会社・大株主との交渉を先に行うべきか、買取業者への売却を選ぶ場合にどのような点に注意すべきかを整理できます。
買取業者は早期現金化の選択肢になり得ますが、転売可能性やリスクを織り込むため、提示価格が低くなることがあります。弁護士に相談することで、買取業者に売る場合と会社・大株主に買い取ってもらう場合を比較しやすくなります。
相続した非上場株式でも弁護士に相談できますか。
相談できます。相続で取得した非上場株式は、売れない、配当がない、会社に関与できないという状態でも、相続税評価では高額になることがあります。
相続税申告そのものは税理士の確認が必要ですが、弁護士には、株式を売却できるか、会社・大株主に買い取ってもらえるか、相続人間でどのように整理すべきか、将来の相続リスクをどう減らすかを相談できます。
完全成功報酬型で依頼できますか。
事案によっては、完全成功報酬型を提案できる場合があります。少数株主案件では、依頼時点で売却可能性や回収見込みが明確でないこともあるため、初期費用を抑えた費用体系を案内できる場合があります。
もっとも、完全成功報酬型で対応できるかは、株式の価値、相手方、資料の有無、交渉可能性、手続の見通しによって変わります。詳細は無料相談で個別に説明します。
遠方でも電話・Zoomで相談できますか。
相談できます。当事務所では、電話、Zoom、メールフォームを利用した全国対応が可能です。会社所在地が遠方でも、資料や経緯を事前に共有していただければ、オンラインで状況を整理できます。
非上場会社の少数株式は、会社の所在地、株主の住所、相続人の住所が離れていることも多いため、来所を前提にせず、まずは相談しやすい方法で事情を共有することが大切です。
まとめ|無料相談で少数株式の売却可能性・価格交渉・資料取得を整理しましょう
少数株式の法律相談では、非上場株式・少数株式を売却できるか、会社・大株主に買い取ってもらう交渉ができるか、会社法140条や譲渡承認請求を使うべきか、低額提示にどう対応すべきかを整理できます。
少数株式は、上場株式のように市場で自由に売れるものではありません。しかし、会社や大株主から低い価格を提示されている場合でも、資料が手元にない場合でも、相続で取得した株式でも、法的手続や交渉により選択肢を広げられる場合があります。
- 少数株式の法律相談では、売却可能性、価格交渉、資料取得を整理できます。
- 会社法140条・譲渡承認請求を活用し、買取交渉を検討できる場合があります。
- 低額提示を受けた場合は、評価方法と会社資料を確認することが重要です。
- 資料がない場合でも、株主名簿閲覧請求や会計帳簿閲覧請求を検討できます。
- 買取業者へ売る前に、会社・大株主との交渉余地や契約条件を確認しましょう。
会社側からの説明や提示価格をそのまま受け入れる前に、保有株式数、会社との関係、資料の有無、相続の有無、買取業者の提示条件を整理することが大切です。無料相談では、今すぐ交渉すべきか、資料取得から始めるべきか、費用をかけて依頼するべきかを確認できます。
坂尾陽弁護士
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少数株式の法律相談に関連する詳しい解説は、次の記事でも整理しています。相談前に全体像を確認したい場合は、関心のあるテーマからご覧ください。
「まずは少数株主目線で話を整理したい」「少数株式を売却できるか見通しだけ知りたい」という段階でも大丈夫です。
少数株主案件・少数株式売却の法律相談・見積りは無料です。法律相談は24時間365日受付中/全国対応しています。電話相談や電話会議システムを利用したWEB面談も実施中。少数株主案件に強い弁護士が無料で電話相談を行います。
正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりませんので、あまり悩まず今すぐご連絡ください。
※弁護士には守秘義務があります。ご記載いただいた個人情報・相談内容の秘密は厳守いたしますので、ご安心ください。
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